2017年12月9日土曜日

夜の散歩

夜の散歩をした。
というかやむにやまれず、本山から自宅まで1時間半弱の道のりを歩いた。
時刻は午前2時、丑三つ時のことである。

後輩の家から自分の家の方角へと路地を抜けて行く。
坂道を登るのを避けるように道を選んだことが災いし、気がつくと丑三つ時に墓地のど真ん中を抜ける蛮勇と化していた。
夜の墓地は静かである。というかこの時間は街全体が静かである。
この辺りは墓地が多く、結局しばらくの間、墓地を抜けたり墓地に入ったりを繰り返しながら家を目指すことに相成った。
特に妖怪幽霊の類に遭遇することもなかったため、こうして文章を書くことができているが、散歩して行く中で一箇所どうしても怖いところがあった。

それは墓地ではなく、墓地を抜けてしばらく住宅街の中を歩いていた時のことだった。
夜の街というのは、昼間とは全く違う街並みに見えるから面白い。
今日はあまり通らない千種の方に抜けていこうと歩いていった。

学校らしい建物の横の道を通って行く。
しばらく学校らしい建物が続き、その隣に見た目のよく似た ているが、会社か病院かそんなような建物があった。
建物の窓から中が見える。
廊下は少し赤みがかった薄暗い蛍光灯で照らされている。
なんだかその建物を見てるうちに、ぞっと怖くなった。
説明は出来ないが、その廊下の感じがひどく不気味であった。
ずっと見ていたら、いつしか建物の中に入り込みそうな、そんな雰囲気があった。

それからも怪しいおばさんや、猫トラップを回避しながら帰宅した。
昼と姿の違う街を楽しむは夜の散歩の醍醐味でもあるが、なんとなくあそこの建物はもう見たくないと思う。

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